停滞期抜けたファナックに吹く「追い風」 ロボット受注高が過去最高

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従来の通期減益予想から一転、20%近い増益見込みを発表した。

積極的な設備投資による固定費の増加で、自慢の利益率が低下していた(撮影:梅谷秀司)

「工場の王者」が怒涛の反撃を始めた。

工作機械の頭脳部分であるNC(数値制御)装置で世界最大手のファナックは1月27日、2020年4〜12月期の決算を発表。売上高3752億円(前年同期比2.9%減)、営業利益652億円(同4.9%減)となった。一見すると停滞しているが、10〜12月期に限れば営業利益は329億円(同68.2%増)と、大幅な増益を記録した。

21年3月期の通期業績予想も大幅に上方修正した。同日に発表した見込みは売上高5323億円(前期比4.7%増)、営業利益1058億円(同19.8%増)。20年10月に発表した減益予想から一転して、増収増益となる見通しだ。

驚きの上振れ見込みを裏付けるのは、足元の好調な受注だ。とくに中国では、NC装置などのFA(工場自動化)やロボット、ロボマシン(加工機)の各部門で、パソコンやタブレット端末を中心としたIT関連のほか、建機や自動車など幅広い業種からの受注が増加。20年10〜12月期の中国向け受注高は、前年同期比167%増の598億円と急増している。

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