屈指の成績を上げた東京・八王子郵便局のお詫びはずさん極まりなかった

「お詫び行脚になんかめったに行くもんでねぇ。やぶ蛇だもの。下手に行ったもんなら客からワーワー言われて契約を打ち切られるだけ。そしたら俺は会社から犯人扱いされて仕事ができなくなる。行くだけ無駄だ」。東北の郵便局員はそう打ち明ける。

日本郵便の郵便局員は2020年10月からお詫び行脚をしている。19年6月、かんぽ生命保険の商品を郵便局員が不適正募集していたことが発覚したためだ。その数なんと18.3万件。うち新契約へ乗り換える際に旧契約の解約を先延ばしして保険料を二重払いさせたのが7.5万件。逆に保障の空白期間が生じたのは4.6万件など。

いずれも顧客の意向とは無関係に、ただ新規件数を増やすためだけに契約を乗り換えさせる行為だ。

お詫び行脚では「すべてを、お客さまのために。」と書いたチラシを顧客に渡し、信頼回復に努めている。郵便局員は、温かい声をかけてもらえることもあるが「不利益変更じゃないか。契約を元に戻せ」とすごまれることも少なくない。日本郵政の増田寛也社長が推し進める「お詫び行脚」は決して現場社員にとって楽ではない。

東海地方のある郵便局では「誰もお詫び行脚に行かず、局長も何も言わない」(当該局の局員)という。お詫び行脚は掛け声倒れに終わるおそれがある。