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弱いはずない 変異株の病原性 コロナワクチンへの妄信は危険

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インフルエンザ研究の第一人者である喜田宏教授の警告。

人の体内で増えやすい新型コロナウイルスの変異株が、世界中に広がりつつある。すでに日本でも確認されているが、私たちはどう対応したらいいのだろう。

「ウイルスが人の間で感染を重ねれば、生き残っていくのは増殖力の強い変異ウイルスで、その病原性はおのずと高くなる」。そう警鐘を鳴らすのが、インフルエンザ研究の第一人者で、香港かぜウイルスの伝播経路を突き止めた、北海道大学人獣共通感染症リサーチセンターの喜田宏・特別招聘教授だ。一方で、「変異株は弱毒化する」などという言説については「国民に誤解を与える」と苦言を呈する。

変異株が弱毒化するとの言説に苦言を呈する

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昨年2月、新型コロナの取材で喜田教授を訪ねたときのこと。中国・武漢での感染爆発が深刻で、国内では北海道での感染拡大が懸念された時期に当たる。喜田教授に意味深長な言葉を投げかけられた。

「今のうちにかかったほうが得かもよ」

むろん冗談なのだが、喜田教授が言いたかったのは、こういうことだ。

新しい人獣共通ウイルスが人の間で感染を始めた当初は、ウイルスの増殖力はさほど高くない。まだ人に適合していないからだ。だが、人の間で受け継がれていくと、体内で増えやすいウイルスが優勢になっていく。増殖力が高ければ、自然に病原性も高く重症化する。だから早めにかかって免疫をつけたほうがいいという警告なのだ。

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