一橋大学大学院教授 佐藤主光(さとう・もとひろ)1992年一橋大学経済学部卒業、98年加クィーンズ大学博士号(経済学)取得。2009年から現職。専門は財政学。政府税制調査会委員なども務める。著書に『地方税改革の経済学』『地方財政論入門』、共著に『震災復興 地震災害に強い社会・経済の構築』など。(撮影:梅谷秀司)

政府は16歳以上を対象に2月下旬にも新型コロナウイルスのワクチン接種を始める方針だ。すでに製薬大手3社から合計3億1000万回分のワクチンを確保した。国立病院などの医療従事者を筆頭に、そのほかの医療従事者、高齢者、基礎疾患がある人の順で進められる見通しだ。

とはいえ、わが国ではこれほど大規模な予防接種は未経験とされる。ワクチン接種の「目詰まり」を避けるためにも、現場任せではなく国の主導的な役割が求められる。

その1つがワクチン配分のロジスティクス(後方支援担当)である。国は都道府県別のワクチン分配量を、都道府県は市町村別の分配量を、市町村は医療機関別や接種会場別の分配量をそれぞれ調整・決定する。今回はマイナンバーなどを活用して接種状況を把握する新システムを構築するというが、配分・搬送はさながら戦時中の配給制度で難しさが伴う。