日本福祉大学 福祉経営学部教授 藤森克彦(ふじもり・かつひこ)1965年生まれ。長野県出身。国際基督教大学教養学部卒業。同大学大学院行政学研究科修士課程修了。日本福祉大学にて博士号(社会福祉学)取得。2017年から現職。みずほ情報総研主席研究員も務める。専門は社会保障政策。著書に『単身急増社会の希望』など。(撮影:尾形文繁)

新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、生活困窮者が増えている。しかし、生活保護の受給者数を見ると、意外なことに増えていない。緊急事態宣言前の2020年3月の受給者数は約207万人だったが、直近のデータである20年10月には205万人に微減した。ちなみに、リーマンショック時には、発生月の1年後には受給者は11%も増加していた。

貧困に陥った人々を救済する制度が、生活保護制度である。今後受給者増の可能性はあるが、なぜこれまで増えてこなかったのか。

この背景として、雇用調整助成金や生活福祉資金の特例貸付などの利用が影響したという見方がある。それに加えて、リーマンショック以降、住居確保給付金など、生活保護に至る前の段階での支援制度が拡充されたこともあるだろう。