いい・もとゆき 1983年慶応大学大学院修了後、日本電信電話公社(現NTT)入社。2000年米スタンフォード大学ビジネススクール修了。NTT東日本、NTT、NTTドコモ副社長を経て、20年12月から現職。(撮影:大澤 誠)
売上高、利益で“3番手”となったNTTドコモを再び回復させるべく送り込まれたのが、2020年6月にNTTからドコモ副社長に転じた井伊基之氏だ。弱体化したドコモをどう上向かせるのか。同年12月に社長に就任した井伊氏を直撃した。

──20ギガバイトで月額2980円という新料金プラン「アハモ」は、通信業界に衝撃を与えました。

20〜30代を取り込むことが経営課題だった。5Gで大容量のデータをサクサク使う環境が整う中で、敏感に反応するのはこの世代。今彼らを獲得できなければ、もう取り返せないという危機感があった。他社のほうが大容量プランを使う人が多いため、顧客1人当たりの収益が高い。ドコモはシェアこそ4割弱でトップだが、データ容量がより少ない人が多かった。

若い世代に聞くと、「ドコモは高い」という印象が強い。実際は「ギガホ」も他社に比べて遜色ないと思う。「高い」イメージを打ち壊しにいったのがアハモだ。

──しかし、アハモはドコモユーザーが従来の割引を適用できないなど、「新料金プラン」ではなく別ブランドにしか見えません。

なぜ「メインブランド」「サブブランド」と分けるのか。サブは単なる格安料金として打ち出し、メインに影響を与えたくないという思惑もありそうだ。

マルチブランドは否定しないが、アハモと既存プランでコンセプトは明確に分けたかった。既存プランはドコモショップでのフルサポートが必要な人向けでプレミアムがついている。アハモはすべての手続きをオンラインでできる人向け。ただ、サポートが必要な人もいるので、(リアルの)ショップは急にやめられない。