経済学で起業してみる、目に見える「変化」の拠点 デジタル産業から公共政策、社会構想まで

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昔々、経済学が社会に巨大な影響を与えた時代があった。その頃、経済学者は既得権に抗して人々の権利と生活を勝ち取る革命家だった。

彼らの構想は、19世紀から20世紀にかけてソ連をはじめ多くの実験共同体・国家をつくるまでに結実した。すべての革命家がそうであるように、彼らの革命は人を救いもすれば間接的に殺しもしたし、別の既得権のおばけを生み出しもしたが。

今日の経済学者はどうか。世界で10人ほどしか読まない論文を書いて同業者同士でけなし合ったり褒め合ったりしているか、審議会やメディアでおしゃべりの下請けをしているか。明らかな没落だ。

没落の兆候が、書店に並ぶ経済学の教科書のスタイルだ。どこかの誰かがつくった「経済」がそこにあり、それを分析するのが私たちという構図。いわば理学(自然科学)もどきとしての経済学だ。

しかし、不変の法則が多くある自然と違い、経済は法則自体が変わる。例えば、狂乱物価に不動産バブルが続いたかと思いきや、いくら紙幣を刷っても物価がびくともしない30年に突入したりする。

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