中国の独占禁止法の執行機関である国家市場監督管理総局は2020年12月14日、ネットサービス大手の阿里巴巴集団(アリババ)、同じく騰訊(テンセント)、物流大手の順豊集団のそれぞれの子会社が独禁法に違反したとして、3社に対して50万元(約800万円)の罰金を科したと発表した。3社は過去に同業他社のM&A(合併・買収)を実行した際、独禁法が定める事業者集中に関する事前の届け出をしておらず罰金処分が下された。

08年8月に施行された中国の独禁法は、M&Aに伴う事業者集中の審査の事前届け出を最初から明記しているが、今回処罰された3社を含めて事前届け出を行った事例はない。また、それを理由に処罰を公表したのはこれが初めてだ。

背景には、ネット企業がM&Aで多用してきたVIE(変動持ち分事業体)と呼ばれる特殊スキームがある。通常のM&Aでは企業に出資することで支配権を得るが、VIEスキームは出資の代わりに一連の契約を通じて対象企業を実質支配する。中国のネット業界では事前届け出をしないのが暗黙の約束になっていた。

だが11月10日、市場監管総局はネット企業の独占的行為を規制する新ガイドラインの草案を発表。VIEスキームを通じた事業者集中が独禁法の監督対象に含まれることを明確にした。3社の処罰は、それを広く知らしめるのが目的だ。

(財新記者:銭童、原文の配信は12月14日)

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