暮れも押し迫った2020年12月25日、厚生労働省は年金財政検証の追加試算を公表した。ほとんど報道されなかったが、今後の年金制度改革を占ううえで重要な資料になりうるものだ。

追加試算で仮定されたのは、現在は別々である基礎年金と厚生年金の報酬比例部分(以下、報酬比例)の給付水準調整期間を一致させるというものだ。実際の法改正では制度内部の資金配分見直しが想定される程度で、家計や企業の保険料負担が増えるといったものではない。にもかかわらず、調整期間を一致させると、将来世代の年金給付水準は現行制度に比べ10%前後(標準世帯)も改善されることがわかった。そのからくりを以下で見ていこう。

少子高齢化で諸外国に先行する日本では、04年の法改正により世界でもユニークな制度が構築された。一言でいえば、年金財政の均衡に、より重点を置いたものだ。