不動産の売買・賃貸仲介の契約前に必ず行われる「重要事項説明(重説)」で、2020年8月から「水害ハザードマップ」による物件の所在地の説明が義務化された。

国土交通省は宅地建物取引業法の改正に合わせて更新する重説の様式例において、「土砂災害警戒区域」「津波災害警戒区域」の後に「水害ハザードマップの有無」の項目を追加。運用指針では、市町村が提供する水害ハザードマップを提示して物件の位置を示すとともに、避難所の位置確認を行うのが望ましいと明記した。

水害ハザードマップは15年の水防法改正で、国などが想定しうる最大規模の降雨を基準とすることに変更され、「洪水」「雨水出水(内水:雨水を排水できずに発生する出水)」「高潮」の3種類が整備されることになった。

ところが、洪水マップは109水系の国管理河川については整備が完了したものの、都道府県管理河川については一部が未作成だ。内水マップも作成が指定された484地域のうち公表済みは361地域にとどまる。不動産購入などの際に、お目当てのエリアがハザードマップから外れているからといってリスクがないわけではないので、注意が必要だ。

説明義務化から5カ月以上が経過したが、住宅業者に聞く限り不動産仲介の現場で大きな混乱は起きていないようだ。災害リスクを重視する消費者なら契約前にハザードマップをチェックするだろうし、住宅業者も重説段階でトラブルにならないように事前にリスク情報を提供するケースが増えているからだろう。

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