「ファイナルアンサーが求められる責任の重さを感じている」と和里田社長は述べた(撮影:梅谷秀司)
コロナ禍で新規の個人投資家が増えた影響で、ネット証券業界に強烈な追い風が吹いた2020年。だが、ネット証券各社には、目前に迫る手数料完全無料化への対応など、解決しなければならない課題が山積している。
30年近く社長を務めた松井道夫前社長の後任として、2020年6月に創業家以外で初めて松井証券の社長に就いた和里田聰氏。就任後の振り返りと、今後の戦略を聞いた。

 

――社長就任前には前任の松井道夫氏から、「社長業というのは一人で考え抜かないといけないから夜も眠れないだろう」と言われていましたが、実際はどうなのでしょうか。

今のところは寝られています(笑)。

ただ、社長になることの重みはひしひしと感じている。よく松井前社長からは「社長と副社長の距離は副社長と新入社員のそれよりも離れている」と言われていたが、社長になってはじめて本当の意味でこの言葉を理解した。

自分が最終的に決定できる分、意思決定に納得感がある一方で、誰かに頼ることはできない。一度決定してしまったことに対して「やっぱりやめます」と社長はいえない。ファイナルアンサーが求められる責任の重さを常々感じている。

――コロナ禍で苦戦する業種もある中、証券業界は好調ですね。