中国の石油化学業界で、エチレンの生産能力を増強する動きが相次いでいる。国有石油大手の中国石油化工集団(シノペック)は2020年12月4日、天津市の天津南港に年間生産能力120万トンのエチレン製造プラントとエチレンを原料とする石油化学製品の工場群を建設する計画を発表した。総投資額は約288億元(約4594億円)に上る。

これはシノペックの数ある増産プロジェクトの1つにすぎない。同社は20年7月、同じく天津市でサウジアラビアの石油化学大手、サウジ基礎産業公社(SABIC)との合弁会社のエチレン生産能力を年産130万トンに拡大する工事に着手。そのほかにも海南省、広東省、浙江省などのプラントで年産80万~120万トンへの設備増強を進めている。

シノペックだけではない。中国の石油化学業界には20~24年の間にエチレン製造プラントの増設を計画している企業が少なくとも43社ある。その結果、中国のエチレン生産能力は25年末までに現在の2倍を超える年産7000万トン以上に達する可能性があるという。

エチレンは石油化学工業における最も基本的な原料の1つだ。中国は19年に5436万トンのエチレンを消費したが、同年の国内生産量は2628万トンだった。自給率は48%にすぎず、対外依存度が比較的高い。石油化学業界がプラント増設に邁進しているのはそのためだ。

(財新記者:趙煊、原文の配信は12月6日)

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