5G(第5世代移動通信)スマートフォンやリモートワーク用パソコンなどの販売増加を背景に半導体の需要が拡大し、半導体チップの製造会社の生産能力が逼迫している。そのあおりを受け、自動車産業が車載用半導体の供給不足という思わぬ苦況に直面している。

自動産業全体にとって頭の痛い問題だが、とくに深刻なのが自動車に搭載される各種センサーや電子機器を制御するMCU(マイクロコントローラー)の不足だ。一部の自動車工場では半導体が確保できないため生産がストップしているという。

今回の供給不足の根源は、シリコンウェハーの世代に応じた製造設備のキャパシティーにある。車載用MCU、ディスプレーパネル駆動用チップ、パワーマネジメント半導体など特定用途に使われる半導体の多くが、1世代前の8インチ(約200ミリメートル)ウェハー用の製造ラインで生産されているからだ。

8インチ用のラインの新設はもう長い間行われておらず、既存のラインも増産余力がほとんどない。そんな中、消費電力が大きい5Gスマホ向けのパワーマネジメント半導体の注文が急増し、そのほかのチップの生産にシワ寄せが及んでいるのだ。

車載用MCUの受注量はもともとスマホ用チップより少ない。メーカーとしては大口顧客向けの生産量確保を優先し、車載用は後回しにせざるをえないという。

(財新記者:屈慧、原文の配信は12月5日)

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