「東京・春・音楽祭2021」は21年3月19日〜4月23日に開催。アカデミー講義を除く全プログラムが、有料でライブストリーミング配信される

クラシック界のイベントスケジュールは、早い段階でかなり先まで決まるということに関して、ほかの多くのジャンルを凌駕する。例えば、クラシック音楽専門誌『音楽の友』は、毎年9月号で「翌年の来日演奏家速報」を特集。来日するオーケストラや指揮者、演奏家の名が、室内楽からオペラまで月ごとに並ぶ。来年は何を聴きに行こうかとあれこれ想像するワクワク感は、筆者がクラシックに興味を持ち始めた高校生の頃から変わらない。

ところがコロナ禍の現在、長ければ公演の1年前、通常でも半年前には売り出されていたチケットが、コンサート直前まで発売されないままになっているケースを散見する。春先から初夏にかけて予定されている来日公演の多くも、今は様子見の段階だ。先が読みにくい状況の中で、コンサートのあり方はもとより、聴く側のスタンスも微妙に変化しているのだろう。クラシックの公演に関しても、短期間での効果的なプロモーションが求められる時代に突入した。