米セールスフォース・ドットコムが米スラック・テクノロジーズを買収。スラックのCEOはセールスフォースの経営陣に加わるとの報道も

2020年は例年より早く過ぎ去ったようにも感じるが、DXを考えるうえで示唆に富んだ出来事が多かった。21年の年始に考えるべき重要な課題が、正しいテクノロジーを経営に導入できる経営層の構築だろう。

20年12月、顧客情報管理(CRM)ソフトウェアを手がける米セールスフォース・ドットコムが、約3兆円でビジネスチャットサービスの米スラック・テクノロジーズを買収するというニュースが飛び込んだ。セールスフォースのM&Aとしては過去最大規模だ。

「GAFA」や米マイクロソフトのような時価総額100兆円超の企業に追いつき、追い越そうとする中で、企業買収は事業ポートフォリオの強化だけでなく、経営層の充実のためにも重要だ。今回の場合、スラックのスチュアート・バターフィールドCEOが事業統括を継続しつつ、セールスフォースの経営陣に加わる予定だ。

コロナ禍でのリモートワークの流れでは、ビデオ会議サービスの米ズームビデオコミュニケーションズが爆発的な成長を果たした。競合よりも使い勝手がよく、急激に膨らんだ需要を捉えた。

スラックもその波に乗ろうとしたが、マイクロソフトのビデオ会議・チャットサービスの「チームズ」の壁があった。チームズは多くの大企業が導入するオフィスソフト「マイクロソフト365」に付属しており、導入企業が簡単に使える点を生かしてユーザー数を急成長させた。スラックはこの抱き合わせ販売が競争法違反だとして欧州当局に申し立てたが、力不足だった。また新興企業同士でも、スラックは法人向けに特化していた一方、ズームは消費者の需要も取り込んだことでネットワーク効果が加速し、差がついた。