こうの・たろう 1963年生まれ。85年米ジョージタウン大学卒業。富士ゼロックス勤務などを経て96年に衆議院議員に初当選。2015年に行革相で初入閣。外相、防衛相を歴任し、20年9月、行政改革担当、国家公務員制度担当、内閣府特命担当相(規制改革・沖縄及び北方対策)に就任。(撮影:尾形文繁)

──デジタル化を進めれば、1枚のマイナンバーカードですべての行政サービスを受けることが可能になりますか。

デジタル化にはいくつか目的がある。マイナンバーカード1枚でいろんなことができる、ハンコが要らなくなる、保険証や運転免許証とも一体化するとか、利用者にとって便利だよね、ということはもちろんある。でも、これは割とすぐにできる話。ここで終わっちゃいけない。

なぜ、デジタル化をこんなに一生懸命やるか。最終的な狙いは、もっと人が人に寄り添えるような行政、日本をもっとぬくもりのある社会に変えていくことだ。日本で少子高齢化が進む中で、子どもの貧困や虐待の問題があり、しっかりと子どもに寄り添っていかないといけない。高齢者の見守りも必要になる。

そのためには、人間がやらなくていいことはロボットやAI(人工知能)に任せる。オンライン化で時間をつくる。そうすることで、もっと人間は人に寄り添う仕事、ぬくもりの感じられる仕事に移っていける。

今までの行政は集団の真ん中にボールを投げるしかなかった。しかし、莫大なデータで個を浮かび上がらせることができれば、個人に合ったサービスを提供できる。

例えば学校では、40人学級の真ん中に向けて授業をするのではなく、オンラインでそれぞれの理解度に応じた授業を行う。先生はとくにつまずいてしまった生徒の引き上げに注力するということだ。