京都大学大学院 特任教授 山家公雄(やまか・きみお) 日本開発銀行(現・日本政策投資銀行)を経て現職。エネルギー戦略研究所所長。山形県の総合エネルギーアドバイザーも務める。近著に『日本の電力ネットワーク改革』。

第1回入札の約定価格はほぼ上限値となった。この水準は、新設ガス火力発電所の固定費を5割も上回る。ここまで高い水準の約定価格は海外でも例がなく、発電事業者にとって「濡れ手であわ」の収入になる。反面、容量拠出金を支払う側の小売電気事業者にとっては大きな負担になる。

経済産業省は発電事業者と小売事業者の既存契約の見直しを促しているが、うまく機能する保証はない。主に卸電力取引所から電力を調達している小売電気事業者は負担を転嫁できない。

高値約定となった原因は、いくつか考えられる。1つは、容量市場を運営する「電力広域的運営推進機関」(広域機関)による電源の需要総量の見積もりが過大だったことだ。日本では電力システムの供給信頼性が非常に重視されている。大寒波や大規模災害など、まれにしか起こらないリスクへの対応に至るまで小売電気事業者に負担させた。