「飲食店を救うための制度だったとは到底思えない」。都内で複数のレストランを運営するある経営者は悔しさをにじませる。農林水産省主導の外食需要喚起策として2020年10月に始まったGo To イートキャンペーンが、本来の目的とは逆に、飲食店に混乱と負担をもたらした。

20年11月、冒頭の経営者のレストランにはグルメサイト大手の「食べログ」から10月分の手数料として約15万円の請求があった(。グルメサイトは通常、月額固定の基本利用料のほか、サイト経由の予約・来店者1人当たり50〜200円程度のオンライン予約手数料を飲食店から徴収している。約15万円の請求額は、基本料と予約手数料の合計だ。

食べログ経由で受けた予約の数をコロナ禍前の2月とキャンペーン期間中の10月で比較すると、この店の場合、ディナータイムで2倍以上、ランチタイムで5倍に増えた。それに伴い、件数に応じて支払う予約手数料の請求額が2倍以上に膨らんだ。

同店の経営者によれば「キャンペーンが始まった10月以降、全体の予約数の約8割がグルメサイト経由になった。これまで(手数料のかからない)電話予約だった常連客までグルメサイトに流れた」。この店の客単価は通常3000〜4000円だが「そもそもグルメサイトへ手数料を支払うと手元の利益がかなり削られる」という。

これで全体の売り上げが増えているならまだいいが、実際は10%近く落ち込んだ。ポイント目当ての利用者が安価なメニューで食事代を抑えようとし、客単価が下落していることの影響とみられる。