イラスト:さとうただし

昨年、新型コロナウイルスが猛威を振るい始めた頃、富裕層の資産運用を担うプライベートバンカーたちの元には、ある問い合わせが相次いだ。

内容は「ビットコインに投資したい」というもの。理由を聞いてみると「新型コロナ対策で、各国政府が財政拡張路線に走ったことで、法定通貨の信認が揺らいでいる。そのため、法定通貨以外のところに資金を逃避させたい」というものだった。

つまり「金」と同様、ビットコインは安全資産への逃避策という位置づけ。金の価格が高止まりしているため、仮想通貨に白羽の矢が立ったというわけだ。

実はこの動き、富裕層に限ったものではない。「機関投資家も仮想通貨への投資を増やしている」(金融関係者)という。米大手投資銀行のJPモルガンもそうしたリポートを次々に発表している。

事実、こうした動きは仮想通貨の値動きにはっきり出ている。ビットコインは2020年11月、3年ぶりに最高値を更新。その後も上昇を続け、足元では2万ドルを突破している。

仮想通貨といえば、17年から18年にかけて起きたバブル崩壊のイメージが強い。多くの“億り人”を生み出したものの、投機的な投資家たちが中心だったため、あっという間に資金が引き揚げられて暴落した。