NTTの澤田純社長は「完全子会社化したからといって、自然にドコモが強くなるわけじゃない」と述べた(撮影:尾形文繁)

NTTのグループ売上高に占める海外事業の比率はいまだ2割と小さい。2018年の就任以来、NTTの澤田純社長はこれを強化すべく、グローバル事業の再編や世界的大企業の提携など矢継ぎ早に新たな手を打ってきた。澤田氏は「スピードは重要だ。商売人はやっぱりタイム・イズ・マネーですよ」と言い切る。

それは今回のNTTドコモの完全子会社化も同様だ。検討が始まったのが2020年4月。その5カ月後には発表にこぎ着けた。また、澤田氏の視線の先には「GAFA」の脅威があるという。「ゲームチェンジをしなければいけない」と語る澤田氏の真意を直撃した。

 

――NTTドコモを12月に完全子会社化します。このタイミングで決断した理由は何ですか。

ドコモはNTTグループにとって収入面、利益面、人材面でも重要な会社だ。だが、もう10年以上契約数のシェアが毎月のように下がっているし、売上高と利益の面では3番手になってしまった。

そこに海外のOTT(オーバー・ザー・トップ:動画配信やSNSなどのサービス事業者)が入ってきて、競争が激しくなった。そんな中でドコモを強くしないといけない。そうすればNTT全体が強くなる。

完全子会社化したからといって自然にドコモが強くなるわけじゃない。意思決定を速くして、グループ間の連携を深める。現在研究開発を進めている「IOWN(Innovative Optical and Wireless Network)」構想(詳細は後述)を実現するためにも、ドコモとの連携強化は必須だ。

完全子会社化の発表を受けて9月29日に行った記者会見。ドコモの吉澤和弘社長(写真右)を横に、「ドコモは3番手」と澤田純社長は不満を隠さなかった(写真:NTT)

――具体的にどう強くしますか。