こばやし・みつよし/1982年慶應義塾大学大学院工学研究科修了後、日本電信電話公社(現NTT)入社。NTT西日本人事部担当部長、岡山支店長、サービスマネジメント部長などを経て、2010年取締役就任。2012年にNTT持ち株会社へ転じ、技術企画部門長、新ビジネス推進室長を兼務。2014年同社常務取締役に。2018年から現職(写真:NTT西日本)
大都市圏から山間部、島嶼部まで広範な地域で固定電話や光回線を提供するのが、NTT西日本だ。首都圏を抱えるNTT東日本と比べると、事業環境は不利だった。だが2021年3月期、NTT西日本は1999年の会社発足後初めて増収となる計画を出した。
成長の源は電話や光回線から、スマート工場や電子コミックなど新分野にがらりと変わった。NTTグループにとっては国内の足場固めも課題だ。持ち株会社での役員経験もあるNTT西日本の小林充佳社長に今後の戦略を聞いた。

 

――1999年にNTT東日本と西日本に分かれて以降、2021年3月期は初めて増収になる予想です。この要因は?

この20年間は固定電話の縮小にあわせて減収が続いた。増収の要因の1つは、これが底を打ってきたことにある。2つめは、自治体や法人の課題を通信やITで解決するソリューションが広がってきたこと。そしてもう1つが、通信から派生したコンテンツなどの新規事業の拡大だ。

消費者向けの電話や光回線と法人向けのネットワークなどの従来型ビジネスと、ソリューションやコンテンツなどの新分野のビジネスの売上高の割合が、2021年3月期に50:50になる予定だ。従来型ビジネスはこの先5年ほどは縮小が続く。2025年までに新分野の売上高を全体の3分の2にする計画だ。

実は電子コミック市場でトップシェア

――新分野で今後の成長を牽引できるのはどのような部分ですか。

1つはコンテンツの子会社であるNTTソルマーレがある。「コミックシーモア」という電子コミックサービスがコロナ禍の巣ごもり需要で伸びており、2021年3月期は10~20%増の見通しだ。