花王の次期社長に市場の厳しい目 化粧品とおむつで前中計は未達

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新中期経営計画で新社長の決意は見えたが、市場の評価はいま一つだ。

澤田道隆・現社長と同じ技術畑出身の長谷部氏。入社当時の上司が澤田氏だった(写真:花王)

「技術を武器に、新しいフィールドにチャレンジしていきたい」。2021年1月に花王の社長に就任する長谷部佳宏専務は、新たな中期経営計画について力強く語った。

花王は20年12月9日、25年度までの新中計「K25」を発表した。25年度に売上高1兆8000億円、営業利益2500億円を目指す。20年12月期予想比でそれぞれ25%増、31%増で、ここ2年間の売上高の停滞を考えると、十分に野心的だ。

新中計のポイントは大きく3つある。まずは「ESG(環境・社会・企業統治)投資の収益化」だ。花王は19年にESG戦略を策定し、工場の電力を再生可能エネルギーで賄うなどESGへの取り組みを強化してきた。今後はこれらの投資によって培った技術をビジネスとして育てる。プラスチック容器を再利用した道路舗装材などを想定している。

2つ目が社員の生産性向上。チャレンジを促す人事評価制度の導入や、外部人材の積極登用を図る。3つ目が、新規事業創出と、ここ数年伸び悩んでいる既存事業の強化だ。

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