かきぎ・こうじ 1953年生まれ。77年東京大学経済学部卒業、川崎製鉄(2003年にNKKと統合しJFEスチール)入社。12年JFEスチール副社長、15年同社社長、19年から現職。(撮影:尾形文繁)
コロナ禍で鉄鋼業も大打撃を受けた。需要が減少した春以降、国内で複数の高炉が一時休止に追い込まれ、2020年度上期の国内粗鋼生産は前年同期比3割減で、大手各社は20年度赤字を見込む。50年のカーボンニュートラル(脱炭素)という政策目標も掲げられた。業界2位・JFEホールディングスの柿木厚司社長にどう対応するのか聞いた。

CO2排出量の2030年度の削減目標

2020年9月に自社のCO2削減目標を初めて発表。50年の脱炭素と比べると低く見えるが、20%削減も決して容易ではない。

──菅義偉政権が50年のカーボンニュートラルという政策目標を打ち出しました。製鉄工程に大量の二酸化炭素(CO2)排出が伴う鉄鋼業にとって対応は困難です。

確かに難しい。まずは個社の目標として30年度に(13年度比で)20%以上削減するという目標を初めて出した。さらに50年以降のできるだけ早い時期にカーボンニュートラルを実現することも打ち出している。いずれも高い目標だが、世界がCO2削減に動いている以上は対応していかねばならない。

──実現のメドはありますか。

30年度の20%削減までは今の自分たちの技術の延長線上で減らしていく。ただ、脱炭素となると今の技術では無理だ。(鉄鋼事業子会社の)JFEスチールで社長直轄の技術開発チームを立ち上げた。そこで30年度までの技術と50年への革新的技術の開発に取り組んでいく。新技術に必要な水素の供給問題やCCS(CO2の回収・貯留)はわれわれだけでは解決できないので国の対応をお願いしたいが、まずはベースの技術を自分たちで開発する必要がある。