ロシアン・ルーレットは逃がさない プーチンが仕掛ける暗殺プログラムと新たな戦争(ハイディ・ブレイク 著/加賀山卓朗 訳/光文社/2200円+税/420ページ)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。
[Profile] Heidi Blake バズフィード・ニュースの国際調査報道エディター。欧州と米国の両方で報道チームを率いている。これまで20以上の報道関連の賞を受賞し、ロシアの暗殺に関する報道によって2018年のピュリツァー賞ファイナリストにも残った。

2018年、イングランドのソールズベリーでセルゲイ・スクリパリと娘のユリアを標的とする毒物暗殺未遂事件が起きた。セルゲイは元ロシア軍大佐で英国の対外諜報機関MI6に情報を提供していた人物だ。ロシアで逮捕された後、スパイ交換により英国に亡命していた。

事件はロシアのプーチン大統領の指示によりFSB(ロシア連邦保安庁)が実行したもので、当然、英国の主権を侵害している。だがこれも、英国で行われたロシアによる暗殺事件の一例にすぎない。

本書はバズフィード・ニュースの国際調査報道エディターであるハイディ・ブレイクと彼女のチームがプーチンによる暗殺事件を追った調査報道をまとめたものだ。

中心となるのは、新興財閥オリガルヒの一員でプーチンと対立するベレゾフスキーとその側近たち。側近の中でもとくにクローズアップされるのがアレクサンドル・リトビネンコとスコット・ヤングだ。