宮内庁(写真)の役割をどう新しく定義するかは極めて重要だ(毎日新聞社/アフロ)

11月30日に秋篠宮さまの誕生日会見で、長女の眞子さまの結婚について理解を示したことが話題になった。この結婚問題は、婚約の相手側について週刊誌がさまざまに報道しているため、ほかの皇室関係の話題と比べて、よく知られているからである。

その前の皇室関連行事でメディアの話題となったのは、11月8日に秋篠宮さまの立皇嗣の礼が執り行われたことであった。こうしてみると改めて天皇・皇后両陛下についての話題が乏しいことが浮き彫りになる。新型コロナウイルス感染症の広がりによって、多くの人々が参集する宮中行事が開かれず、また天皇陛下が出席するイベントなども開かれないからである。

それ自体は致し方ないことではある。ただ、例えば英国の王室がインターネットやSNSを用いて情報発信することで国民とつながる努力をするのと同様のことを、日本の皇室も試みてよいはずだろう。だが、そういう点でも日本の皇室は、よくいえば抑制的である。報じられるところでは、天皇・皇后両陛下は情報発信に意欲的だが、上皇陛下が天皇退位の意思を独自にビデオメッセージで国民に訴えた一件などに政府の側が敏感に反応し、皇室から独自の情報発信が続くことに否定的ともいわれている。

併せて、皇族減少に伴う公務の担い手不足の打開策として、女性皇族が結婚して皇籍を離脱した後も「皇女」などといった呼称を贈り、特別職の国家公務員として皇室活動を続けるという案を政府内で検討していると、先月メディアに報じられた。数少ない皇室の情報発信とは別に、政府の側の検討プロセスが、むしろ過剰に発信されているとすらいえる。