『甦る三大テノール 永遠の歌声』は、2021年1月8日(金)からBunkamura ル・シネマほか全国順次公開(©C Major Entertainment2020)

今から30年前の1990年7月7日。第14回FIFAワールドカップ・イタリア大会の決勝前夜に行われたコンサートは、後に20世紀最大のクラシックイベントとして語り継がれる「三大テノール」の幕開けだった。

会場は世界遺産に登録されているローマのカラカラ浴場。コンサート前の3位決定戦でイタリアがイングランドに勝利し、その余韻の中、会場に詰めかけた6000人の聴衆はさらなる興奮を味わうこととなった。イタリア放送協会(RAI)が放映したこのコンサートの模様を、なんと54カ国の8億人が視聴。「三大テノール」は、クラシックの枠をはるかに超えた人気を得たのだ。

ライブアルバムも発売からわずか3日間で50万枚、1カ月で300万枚という驚異的な売れ行きで、最終的には1600万枚というクラシック史上最大の売上枚数を記録したのだ。お堅いイメージのクラシック音楽、とくにオペラの大衆化にこれほど貢献したイベントはほかにない。