イタリアには今、好機が訪れている。コロナ後の経済をよりグリーンで強靱なものにつくり変える好機だ。イタリアは来年、G20(主要20カ国・地域)首脳会議の議長国を務め、英グラスゴーで行われる国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)を英国と共同開催する。そうした中で国民の健康と福祉を重視する政策を打ち出せば、世界に模範を示すことができる。

このチャンスをものにできるかどうかは、欧州連合(EU)によるコロナ復興基金の割り当て分、2090億ユーロ(約26兆円)をどう活用するかに懸かっている。30人を超すイタリアのエコノミストによる最近の報告では、復興基金の8割を脱炭素化に振り向けた場合、イタリアの国内総生産(GDP)の成長度合いは2030年までに3割ほど大きくなると試算された。生産年齢人口の就業率も現在の57%から68%に高まる。とりわけ大きなメリットを受けるのが若い層だ。

イタリア経済は今年9%のマイナス成長になる見通し。雇用と所得は落ち込み、格差は拡大。節約志向の高まりから、消費にも悪影響が広がっている。選ぶべき道は、誰にとっても一目瞭然のはずだ。