慶応義塾大学経済学部教授 太田聰一(おおた・そういち)1964年京都市生まれ。京都大学経済学部卒業、ロンドン大学大学院修了(Ph.D)。名古屋大学大学院経済学研究科教授を経て2005年から現職。専門は労働経済学。著書に『若年者就業の経済学』、共著に『もの造りの技能─自動車産業の職場で』『労働経済学入門』など。(撮影:梅谷秀司)

雇用調整助成金(以下、雇調金)が再び注目を集めている。雇調金は、企業が雇用維持のために労働者を休業させた場合に、政府が休業手当に対して助成を行うものだが、新型コロナウイルスによる経済ショックに対応するため空前の特例措置が4月から設けられたことは記憶に新しい。

とりわけ、条件を満たす中小企業に対する全額補填と、上限日額を従来の8000円強から一気に1万5000円に引き上げる施策などが話題を呼んだ。この特例措置は当初の9月末までの予定が12月末までに延長されたが、現在、さらに年度末まであるいは4月以降への延長が議論されている(本稿執筆段階では未決定)。

経団連は再延長を求める要望書を11月4日付で提出した。延長を要望する理由として、雇調金が失業予防策として有効に機能していること、その一方で、感染症終息の道筋はいまだついておらず、依然として雇調金への企業のニーズが強いことを挙げている。