『ディアベッリの主題による33の変奏曲』は、一握りのピアノの名手のみによって演奏されている

ベートーヴェン生誕250年のメモリアルイヤーもいよいよ終盤。12月16日頃とされる彼の誕生日を控え、さまざまな企画が目に留まる。筆者も先日、その1つとして放送されたラジオのベートーヴェン特番に出演した。

番組の中で、「今、いちばん聴いてほしいベートーヴェンのピアノ作品は?」というお題が出されたので、筆者は『ディアベッリの主題による33の変奏曲』と回答した。変奏曲としてはバッハの『ゴルトベルク変奏曲』に勝るとも劣らない傑作だからだ。

ピアノの達人にして即興演奏の名手でもあったベートーヴェンは、さまざまな主題を基にした「変奏曲」を多く遺(のこ)している。「変奏曲」とは、1つの主題(メロディー)が形を変えながら繰り返される形式で、その曲が生まれた当時はやっていたメロディーや、ほかの作曲家の楽曲を主題として取り入れることも多い。