きうち・たかひで 1987年から野村総合研究所所属。日本経済の分析、ドイツ、米国で欧米の経済分析を担当。2004年野村証券に転籍、07年経済調査部長兼チーフエコノミスト。12年7月から17年7月まで日本銀行政策委員会審議委員、この間独自の視点で提案を行う。17年7月から現職。(撮影:尾形文繁)

日本銀行は11月10日に開かれた政策委員会・通常会合で、「地域金融強化のための特別当座預金制度」を導入する方針を決めた。日本銀行の政策全体に影響を与える、大きな決定と捉えるべきだ。

これは、地域経済の発展に貢献すること、経費率の低下などで示せる経営基盤の強化を実現すること、などの要件を満たす地域金融機関を対象に、当座預金残高に対して年0.1%の上乗せ金利をつけるもので、3年間の時限措置である。実際には、比較的緩い条件で制度利用が認められる可能性があり、この点から、地域金融機関への補助金との性格が相応にあることは否めない。

要件には経営統合などを通じた経営基盤の強化策も含まれる。これは、日本銀行に経営統合を後押しする狙いがあることを意味しており、踏み込んだものといえるだろう。