中国国際輸入博覧会でのビデオ演説で習近平主席は新たな経済モデル「双循環」について自ら説明した(AFP/アフロ)

すわ、内戦か──とまでいわれた米大統領選挙も、ゆっくりだがバイデン新政権誕生へと向かっているようだ。これを受けて日本では「新政権の下では米国の対中圧力が弱まるのではないか」といった報道が目立つ。

だが、中国はそんなことはまったく期待していないようだ。中国は、「1000の敵を殺すのに800人を犠牲にする」(「環球時報」社説)ようなトランプ路線に辟易していた。しかし、バイデンの民主党政権になったら突然道が開かれるわけでもない。

TPP(環太平洋経済連携協定)で中国包囲網を築こうとし、尖閣諸島は「日米安全保障条約5条の適用範囲」と初めて公言し、フィリピンの尻をたたいて南シナ海問題を常設仲裁裁判所に提訴させ、リバランスで米海軍の戦力の6割をアジアに振り向けた──これらはすべて、オバマ時代の民主党政権がしたことである。

今後は米中の対立から非理性的な要素は少なくなるが、米国が国際協調の姿勢とソフトパワーを取り戻せば対中包囲網は形成されやすくなるというところだろう。