のざき・ひろなり 1986年慶応大学経済学部卒業。91年米イェール大学経営大学院修了。HSBC証券などを経て、シティグループ証券でマネージングディレクターとして活躍。2018年から現職。

銀行部門のトップアナリストとして活躍、現在は東洋大学教授である野崎浩成氏。このほど、『消える地銀 生き残る地銀』(日本経済新聞出版)を出版した。野崎氏に銀行が生き残る道を聞いた。

──菅義偉首相の「地銀は多すぎる」発言をどう読み解きますか。

野崎浩成 著日本経済新聞出版1600円+税(書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします)

金融庁の森信親元長官と親交があったこともあって、官房長官時代から地方銀行に対する問題意識があった。それは、地銀の合併のハードルを下げる独占禁止法の特例法が、首相の肝いりで施行されたことからもわかる。首相はわかりやすく「数」と言っただけ。その裏に、今の地銀が抱える複合的な問題を解決しなければならないとの認識がある。

──具体的にはどんな問題が?

とくに大きな問題は、金融庁が長年にわたって金融検査マニュアルを使って地銀を追い込んだため、地銀がリスクのある融資を避けるようになったことだ。こぞって安全で優良な貸出先にしか融資しなくなったことで金利が取れず、稼げなくなってしまったのだ。