(kasahasa/PIXTA)

「一口に経営統合といっても、前向きなものばかりじゃない。むしろ、これから増えてくるのは後ろ向きの統合だ」と、ある地方銀行関係者は指摘する。

前向きな統合とは、体力のある地銀同士が一緒になり、統合効果を見いだそうとするもの。一方で後ろ向きの統合とは、単独では生きていけなくなった地銀を体力のある地銀が吸収する“救済型”の統合だ。

救済型の統合が増えると予想されるのは、今後、地銀の業績がますます悪化するから。もちろん、その原因となるのは新型コロナウイルスだ。

感染拡大以降、銀行は積極的に企業の資金繰り支援を続け、倒産を防いできた。それができたのは政府の強烈なバックアップがあったからだ。

だが足元では、政府のスタンスも変わりつつある。「これまでは金融庁から『取引先はすべて支えろ』と言われてきたが、最近は『そろそろ選別を始めろ』に変わってきた」。ある頭取はそう明かす。

貸せる先、貸せない先の選別が始まれば、融資が受けられずに倒産する企業はおのずと増えてくる。融資は焦げ付き、貸し倒れが発生する。

そうした費用が膨らめば、銀行は体力を奪われ自己資本を毀損する。その結果、単独で立ち行かなくなれば、救済を求めるしかなくなるというわけだ。

9行が危険水域