(MicroOne/PIXTA)

今年25歳になった男性はある日突然、システム会社への出向を言い渡された。大学時代も文系で、システムに関する知識などゼロに等しいにもかかわらずだ。毎日、わからないことだらけで、与えられた仕事をこなすだけでやっと。「何で俺が……」と苦悩する日々だ。

戸惑うのも無理はない。彼が3年前に就職したのは、地方銀行だったからだ。融資業務の経験も浅く、これからというタイミング。何か失敗をしたわけでも、問題を起こしたわけでもない。支店での成績もよいほうだった。

「出向時にはっきりとは言われなかったが、融資は儲からないからと、最近銀行が推進しているフィンテック関連の新規事業に関われということなのかもしれない」

とはいえ男性は、「いちばん安定していると思ったから銀行に就職したのに、安定どころか俺の将来はいったいどうなるんだろうか」と不安な毎日を送っている。

この男性のみならず、全国22万人を超える銀行員たちは今、大きな変革の波にのみ込まれている。

低金利環境の終わりが見えない中、人口減少で資金需要は確実に減っており、銀行はこれまでの伝統的な銀行業務だけで生き残ることが難しくなってきたからだ。