バイデン勝利が事実上確定した後の11月14日、トランプ支持者はワシントンで抗議行動を繰り広げた(ロイター/アフロ)

バイデン氏が勝利した今回の大統領選挙は、米国の分断の深さを浮き彫りにした。政権が代わっても、米国は国際的な指導力を発揮できない状態が続くと覚悟すべきだ。

バイデン氏の勝利は、狭い意味では日米関係にプラスとなる。日米同盟の戦略的価値に理解を示し、自由で開かれたルールに基づく国際秩序、防衛協力を通じた紛争抑止、温暖化対策での連携を重視する立場だ。しかし米国の分断は深刻で、内政的な妥協を成立させるのは極めて難しい情勢にある。新政権が国際協調路線に舵を切ろうとしても、具体的な政策は前途を阻まれる可能性が高い。

問題は政治対立が政策の優先順位を超え、国家観の違いにまで及んでいることだ。ある世論調査によると、「米国の中心的価値について(相手とは信じるものが)根本的に違う」と答えた人々の割合はトランプ、バイデン支持者の双方とも約8割に上る。両陣営が接している情報源が違い、それぞれがまったく異なる情報世界に住んでいる。敵陣が大統領選に勝てば「国に長期的な害が出る」と考える人々は双方とも9割に達した。