都構想が住民投票で再び否決され、会見に臨む松井大阪市長(右)と吉村大阪府知事(日刊現代/アフロ)

4年に1度の米大統領選挙では、投票の前月の10月に異変が生じることが多く、「オクトーバーサプライズ」と呼ばれるが、今回はドナルド・トランプ大統領の新型コロナウイルス感染というサプライズがあった。大統領選は11月3日の投票で民主党のジョー・バイデン候補が当選確実となったのに、トランプ大統領が投票後、約2週間も敗北を認めないという異例の展開となった。

一方、日本でも、11月1日の大阪都構想をめぐる住民投票で、1カ月前まで世論調査などで「賛成多数」だった情勢が急転し、「否決・不成立」の判定が下った。日米ともに「ノベンバーサプライズ」の様相である。

大阪都構想は2008年2月に府知事に就任した橋下徹氏(後に大阪市長)が、大阪府と大阪市の二重行政の解消などを目指して打ち出した案で、10年4月結党の大阪維新の会を母体とする現日本維新の会が「一丁目一番地」と位置づける最重要テーマだった。

その賛否を問う大阪市民の住民投票は、松井一郎大阪府知事(現大阪市長)と橋下市長の時代の15年5月に続いて2回目である。1回目は約1万1000票差で「反対」が「賛成」を上回った。維新側は「今回が最後」と公約して再挑戦したが、2回目も約1万7000票差で敗れた。

15年の否決の際、当時の橋下市長は「負けは負け。市長任期満了以降、政治家はやらない」と記者会見で述べ、実際に15年12月に市長退任、政界引退を実行した。松井市長も今回、敗北後の記者会見で、同様に「けじめをつけなければ。市長任期満了で退任、政界引退」と明言し、数日後に大阪維新の会代表の辞任も表明した。