法律と教育は相性悪いがリスク避けては役に立たない 弁護士、教師 神内 聡氏に聞く

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じんない・あきら 1978年生まれ。東京大学法学部卒業。同大大学院教育学研究科、筑波大学大学院ビジネス科学研究科修了。日本初の弁護士資格を持つ社会科教師として勤務する一方、各地の学校でスクールロイヤーを担当。4月から兵庫教育大学大学院准教授としても勤務。(撮影:今井康一)
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いじめ、モンスターペアレンツ、ブラック部活……。学校は多くの問題を抱え、中には法的な解決が必要なものもある。解決の糸口として学校と関わるのがスクールロイヤー。ともすれば“救世主”と思われがちだが、舞台が学校ゆえの難しさもある。それを踏まえたうえでの可能性を、現役教師でもあるスクールロイヤーはどう考えているのか。

──なぜ二足のわらじを?

大学は法学部でしたが、教師に興味があったので教職課程を受講しました。研究職にも興味があり、大学院は教育法を扱う教育学研究科へ。担当教授に「教員免許を持っているなら現場に出たほうがいい」と言われて教師になりました。ただ、大学教員のポストは圧倒的に法学部のほうが多いので、夜間のロースクールに進学。そこで、弁護士の仕事にもやりがいを感じたので、司法試験に合格後、しばらく弁護士に専念してみました。

所属事務所は学校法人の案件が多かったのですが、多くの弁護士は現場をまったくわかっていないことに気づきました。自分も現場感覚を忘れてしまうと危ぶんでいたら、いろんな人材を求めていて、弁護士との兼業も可能だという今の学校に声をかけてもらいました。

「教師は授業のみ」がほとんどの海外と違い、日本は生徒指導、部活などひっくるめて教師の仕事。個人的にはそこが醍醐味ですが、弁護士はそういう見方ができないので、同じ事象でも弁護士と教師では見え方が全然違うんです。

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