中国のネット企業は新興国市場を開拓する。写真はマレーシアのコンビニ店頭(新華社/アフロ)

2010年代の中国に生じた最大の変化はデジタル化だった。経済成長率が低下し、改革が停滞する中でも中国経済の変貌は続いた。デジタル化の以前と以後で、中国の生活、産業、社会が一変したからだ。

生活面ではキャッシュレス決済やフードデリバリーが普及し、金融から医療、そして物流分野にまで新サービスが広がった。GAFAに並ぶ企業としてアリババ、テンセントの台頭が見られ、行政手続きの電子化も進み、生活の利便性は格段に向上した。しかしデジタル化はグローバルな現象であり、ほかの新興国でも地殻変動は進む。「デジタル中国」はどこまでが新興国的な現象で、どこからが中国独自の現象なのか。

国際比較の視点から見てみよう。下図は横軸に1人当たりGDP(対数値)を、縦軸にインターネットを通じた支払い・購入の経験を持つ人の比率を取ったものだ。円の大きさが人口規模を示す。中国は中所得国に位置するが、発展水準に比べてデジタル化は進んでいる。何よりもその人口規模のインパクトは大きい。データ取得時点の17年からの進展も著しい。

同時に、デジタル化の問題に関し中国だけでなく、ほかの新興国にも視野を広げてみる必要がある。