2019年12月にはアリババグループが香港へ重複上場をした(新華社/共同通信イメージズ 「新華社」)

近年、香港のマーケットとしての地位は低下しているといわれてきた。上海や深圳など中国沿岸部の都市が猛スピードで経済成長しているうえ、今年6月末には国家安全維持法が施行。司法制度の中国化を嫌って海外マネーも遠のくとみられてきたからだ。

ところが、香港取引所の2020年1~6月期の1日当たり売買高は前年同期比2割増。コロナ禍で市場の価格変動の度合いが拡大したのと同時に、アリババ、京東、網易(ネットイース)など、米国で上場していた中国の「スター企業」が香港の株式市場に次々重複上場した。香港にIPO(新規株式公開)する有力企業も増えており、にわかに注目を集めている。

最大の要因は米中対立だ。米国内で中国企業への圧力が高まると同時に、今年4月以降、コーヒーチェーンの瑞幸咖啡(ラッキンコーヒー)や動画配信大手の愛奇芸(アイチーイー)、オンライン教育の好未来教育などの不正会計が相次ぎ発覚。米国で上場する中国企業の監査基準が厳格化され、「痛くもない腹を探られ、株価が割安になってしまうという観測が広がった」(日興アセットマネジメント香港法人の山内裕也副社長)。