「アジアの国々に中国のスマート社会が広がろうとしている」

パナソニック専務 中国・北東アジア社 社長 本間哲朗(ほんま・てつろう)1961年10月生まれ。家電事業を担うアプライアンス社社長を経て2019年4月から現職で北京に駐在。若手時代に台湾で鍛えた中国語力に定評。

変化が激しい中国のスピードについていくためにパナソニックは2019年4月に地域カンパニー、中国・北東アジア(CNA)社を設立。そのトップの本間哲朗専務にデジタル社会・中国での経営について話を聞いた。

──中国事業が堅調です。

コロナ禍もあったが、中国内では家電など一般消費者向け商品の売上が4~9月の半年間で前年同期比1割伸び、シェアも向上した。CNA社設立前の事業部制では、日本にいる事業部長の承認がないと物事が進まなかった。だが変化が激しい中国市場を日本にいる管理職が理解するのは難しい。

とくにコロナ後の9カ月間は事実上、日中の人的往来が停止した。自立した海外での経営という点でCNA社はマッチできている。

──中国のデジタル社会の現状をどう見ていますか。

スマートフォンが中国の社会を変えている。スマホで物を買い、ビッグデータマーケティングを行い、チャットで素早いコミュニケーションを行っている。

中国は世界で唯一、本当の意味でスマート社会が実装された。私は「国民皆スマホ」と呼んでいる。スマホは実名制なので、ID、顔情報、銀行口座などが結び付き、すべての取引がスマホを介している。私自身も去年の秋から人民元の紙幣や硬貨に触っていない。

──「国民皆スマホ」社会でいかに製品を売ればいいのでしょうか。