週刊東洋経済 2020年11/21号
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北京でパナソニックの中国事業を率いる本間哲朗・取締役兼専務執行役員は、深夜になってからもスマートフォンを手放せない。取引先からのメッセージの着信が続くからだ。

IT大手の騰訊(テンセント)が運営するメッセージアプリであるウィーチャットのユーザーは10億人超。地方政府指導者や大企業トップも、連絡は本人同士のウィーチャットが基本だ。すぐ返信しないと商機を逃す。

動画共有サービスのTikTokに慣れた中国人消費者は、ショート動画が流れる15秒のうちに、インフルエンサーが使っている商品を買うかどうか意思決定する。11月11日0時に始まった中国最大のネット通販セール「独身の日」のピーク時の注文件数は1秒当たり58.3万件。中国でのビジネスはまさに「秒速」になっている。

こうした中国のデジタル技術は新型コロナウイルスの感染抑制にも即座に投入された。2020年初めに感染が急拡大し、1月23日に湖北省武漢市が都市封鎖を行ってから1週間余りで事態は動いた。

ネット通販最大手のアリババグループは本拠を置く浙江省杭州市にエンジニアを集結させた。2月初めにスマートフォンアプリでウイルス感染の有無を証明する「健康コード」のプロトタイプを開発、モバイル決済アプリ「支付宝(アリペイ)」に同機能が付加された。