なかぞら・まな 1991年慶応義塾大学経済学部卒業、野村総合研究所に入社。97年野村アセットマネジメントでクレジットアナリストに。社債や国債を分析。モルガン・スタンレー証券、JPモルガン証券を経て、2008年10月からBNPパリバ証券クレジット調査部長。11年から現職。(撮影:尾形文繁)

菅義偉首相は所信表明演説で「2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指す」と宣言した。前のめり気味の欧州、米国との差を明確にしたい中国に続き、ゼロエミッション化を進める日本の決意を内外に示すことに成功したといえる。

しかし、大変なのはこれからだ。ESG(環境・社会・企業統治)投資に向けた政府の後押しが加わったことで、日本も重い腰を上げるだろうが、さらにエンジンをかける必要がある。欧州ではすでに中央銀行や財務省がその中心にいて流れを加速させている。日本が目標を達成するための1つの参考になるのではないか。

中銀・財務省の役割

こうした動きを見るうえで、まず重要なのが中銀・金融監督当局の有志連合である金融当局ネットワーク・NGFSである。17年12月の気候変動サミットで設立され、気候変動リスクへの金融監督上の対応を検討するもの。設立から3年半で参加メンバーは創設時の8カ国から72カ国に増加。日本は金融庁と日銀がそれぞれ18年6月、19年11月に参加している。