オンラインショッピングの便利さに助けられる場面は年々増加し、コロナ禍でその傾向は一段と強くなった。例えばカナダではその利用が約2倍に増加したとのこと。アマゾンや楽天市場といったeコマースプラットフォームでは、さまざまな売り手の商品を比較しながら買い物ができる。筆者も先日、数時間にわたる吟味の末、1320円のヘッドセットをテレワーク用に購入した。

これらのプラットフォームは、電子空間にマーケットプレースと呼ばれる「市場」を開設し、おびただしい数の売買取引を仲介するサービスを提供している。売り手は、売り上げの一部を仲介手数料として納めさえすれば、価格を自由に設定できる。仲介手数料は、製品カテゴリーにより異なるが、例えばアマゾンのPC関連商品の場合は8%。前述のヘッドセットの場合、1320円のうち約105円がこれに当たる。

手数料率以外にも、プラットフォームは市場におけるさまざまな「ルール」を決定する。例えば、検索結果の表示アルゴリズム、製品レビュー・レーティングの仕組み、配送料金やその仕組みなど多岐にわたり、まさに市場の管理者といったところだ。

また、一部には市場の運営・管理にとどまらず、自らも商品を販売するケースがある。「この商品はアマゾンが販売・配送しています」といった表示を見たことがないだろうか。われわれが検索・閲覧・購入している商品は、独立した売り手によって販売されているとは限らず、市場の管理者自身によって販売されている場合もある。つまり、競争市場のルールを制定する者が、その競争に自ら参入しているわけだ。