日本が警戒すべきバイデン政権の“本性" インタビュー/東京大学東洋文化研究所准教授 佐橋亮

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目先は国際情勢に「3つの不確実性がある」と述べた佐橋准教授。写真は2018年(撮影:今井康一)

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バイデン政権となった場合、外交政策はどう変わるのか。中国デカップリングの行方や、日本との関係などについて、東京大学東洋文化研究所の佐橋亮准教授に話を聞いた。佐橋氏は「しばらくするとバイデン政権の”本性”が出てくる」と警鐘を鳴らす。

かつてない政権移行期

――もつれにもつれた状態ですが(インタビューは11月6日)、今回の大統領選挙をどう総括しますか。

最終的に、民主党候補・バイデン氏の辛勝となるだろうが、支持は想定ほどではなく、トランプ氏の得票も前回以上だった。議会選挙でも、上院はジョージア州での1月の決選投票にかかってくるとはいえ民主党は上院の過半数を取れない公算が高く、下院でも議席数を減らしそうだ。これでは、バイデン氏が新大統領に就任しても、政権運営はかなり厳しい。

バイデン氏が副大統領を務めたオバマ政権のときも後半に「ねじれ議会」で苦しみ、議会承認が不要となる大統領令などを多用して何とかしのいだものだ。バイデン政権が出足から「ねじれ議会」に苦しむことになれば、新型コロナ対策や高官人事など内政や外交政策で共和党との妥協は必要となってくる。

当初予測されていた左派的な政策に展開していく民主党政権とは異なってしまい、民主党支持者を失望させるような展開にもなりうる。

――トランプ大統領の法廷闘争の行方が注目されています。今後、どんな点を注視すべきでしょうか。

トランプ大統領がどこまでできるのかはわからない。最終的には来年の1月20日までには勝負がつき、新大統領が就任すると思う。ただそれまでの間、混乱は続き、国際秩序の面でも大きな変化を招くかもしれない。

――具体的には?

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