インタビューの第2回はマクロ政策や経済学説との関係について。ケルトン教授は、「不要な増税こそ規制すべきだ」とする一方で、増税へのトリガー条項導入は「有用」と明言。また、経済学説でのやりとりでは「MMTこそケインズの考え方に最も近い」と語った。そして、2019年に話題になったオリヴィエ・ブランシャール氏の“ある発言”についての見解も詳しく述べた。

 

【ワンポイント解説】
MMT(Modern Monetary Theory)

ポストケインズ学派の流れをくみ、貨幣が実体経済に与える影響を重視するマクロ経済学説。「政府・中央銀行はいつでも自国通貨を発行できるため、国家は自国通貨建てであれば、どのような債務も返済できる」と主張する。ただ、「インフレは制御する必要があり、インフレ圧力が高まるときは増税や支出削減によって、市中の通貨を回収・抑制してインフレ圧力を相殺する必要がある」とも説く。

 

――MMTをめぐる主な議論の1つに、日本の経済学者の中には「もしMMTの考え方にのっとって財政政策を運営するのならば、いざインフレになったときにはどの税目の税金をどうしたタイミングで、どれだけ引き上げるかということ(トリガー条項)も事前に法律に入れておく必要がある」と指摘する人もいます。

長年デフレで苦しむ国で、不要なときでも増税への欲求があることは興味深い。私は、「不要な増税」を行う政府を規制する制度設計こそが必要だと言いたい。

とはいえ、指摘にあるようなトリガー条項を法律に入れることは有用だと思うし、そのアイデアは好きだ。