退職後を含めた出世とお金が検察官の行動を歪める

検察官には「赤レンガ組」と「現場組(現場派)」の2つの出世コースがある。赤レンガ組とは法務省での勤務が長い検察官のことだ。法務省旧本館の建物が赤レンガでできていることから、こう呼ばれている。

検察トップに君臨する検事総長の多くは赤レンガ組だ。今年7月に就任した林眞琴・検事総長(63、下図表写真)は東京地検特捜部でリクルート事件に携わったこともあるが、法務省勤務が20年と長い。

検事総長の年収は2953万円だ。検事総長は退任した後も事実上、高給が約束されているといえる。退任後に弁護士登録をしたうえで、トヨタ自動車や三井物産など大企業の社外取締役や社外監査役に就任するからだ。

赤レンガ組に比べると、現場組は出世の面で恵まれていない。現場組の花形ポストである東京地検特捜部長のうち東京高検の検事長になったのは、今年7月に就任した堺徹氏(62、下図表写真)を含めて歴代39人中9人だ。検事総長まで上り詰めたのは笠間治雄氏が4人目で17年ぶりだ。2010年の大阪地検の証拠改ざん事件の際、当時の大林宏・検事総長が人心一新のために半年余りで辞職したことを受けて急きょ就任した。