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金脈化する第三者委員会 不祥事企業の免罪符

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検察OBや法律事務所が調査の主導的な役割を担っている不思議。

第三者委員会報告書は数百ページに及ぶことが珍しくない

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「独立した第三者委員会を設置し、原因を究明します」

ひとたび不祥事が発生すると、企業は第三者委員会や特別調査委員会、社内調査委員会などなんらかの“委員会”を設置して、不祥事の原因究明を行う。これまでも日本郵政や関西電力、ジャパンディスプレイなどの企業や、厚生労働省のような官公庁などさまざまな組織が第三者委員会を設置してきた。

下表は、2018年9月からの2年間に上場企業が設置した、第三者委員会、またはそれに準ずる委員会の一覧だ。上場企業では2年間で少なくとも64の委員会が設置された。

表を詳しく見ていくと、同じ弁護士が複数の案件を担当していることがわかる。例えば、国谷史朗弁護士は委員長を2年間で4回務めている。検察庁で有力ポストに就いていた弁護士が、委員長に就任しているケースも多い。検察トップの元検事総長・但木敬一氏、元東京高検検事長の濵邦久氏、最高検次長検事だった伊藤鉄男氏など有力者が並ぶ。

ただ、検察OBが委員長に適しているかどうかについては、議論が分かれる。「事件のスジを読み、真犯人を絞り込む検事は、不祥事を起こした組織の問題点を洗い出し、改善を促す第三者委員会の委員長には向いていないのではないか」(第三者委員会の実態に詳しい八田進二・青山学院大学名誉教授)という指摘もある。

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