企業法務を手がける弁護士の間で、大手法律事務所を離れ、新事務所を設立する動きが最近目立つ。従来の事務所とは違った運営や、業務の切り口に独自性があることが特徴だ。

総合事務所として急成長|三浦法律事務所

三浦法律事務所(東京・大手町)は、森・濱田松本法律事務所のパートナーだった三浦亮太弁護士が2019年1月に設立した。設立当初から30人の弁護士が集まり、業界内で大きな話題になった。今年10月の時点で49人まで増える急成長だ。

設立者の三浦亮太弁護士(左)と渋谷オフィスの責任者である尾西祥平弁護士

三浦氏はコーポレートガバナンスやM&Aが専門。ほかのパートナーも経験や国籍など多様性があり、企業で起きる法律的な問題には、あらゆる分野で対応可能だ。

三浦氏は「企業のお客様に、われわれを選択肢として考えてもらうためには、5大事務所のサービスと同じことを、同じクオリティーで提供できなければならない」と話す。その一方で、「既存の事務所のコピーになるつもりはない」と明快だ。

特徴は、組織づくりに対する考え方。パートナーだけでなく、新人のアソシエイトも含めて、決めるべきことは所属弁護士の「全員で議論する」ことを徹底しているという。マイクロソフトの会議システム「チームス」にはつねに複数のスレッドが立っていて、議論が同時並行で展開されている。

三浦氏は「議論が簡単に決着しないこともあるし、効率性とバーターになることは理解しているが、弁護士からスタッフまで全員に、この事務所が自分の居場所だと思ってもらう必要がある」と話す。弁護士が年次に関係なく自ら意見を出し、当事者として組織づくりに参加できるフラットさは、50人近い事務所では前例がないといえるだろう。