ささき・とおる 2015年6月から現職。03年4月からJPモルガン・チェース銀行でFXストラテジストとして金融市場を調査・分析。その前は日本銀行に勤務、調査統計局などを経て、国際局(当時)為替課で為替市場介入を担当、ニューヨークで米国金融市場分析も担当した。(撮影:今 祥雄)

香港の混乱もあって、この機会に外国から金融人材を日本に呼び込み、日本のどこかの都市を世界の金融ハブにしようという議論が再び盛り上がっている。

こうした掛け声や試みは過去何度も聞かれたし行われてきた。しかし一向に実現せず、逆に日本の金融市場は地盤沈下を続けている。なぜだろうか。

海外の金融機関は日本に非常に興味を持っている。それは日本人が巨大な金融資産を保有しているからだ。

しかし、日本のどこかを国際金融都市化しようという話になると、必ず税率の議論になってしまう。もちろん税率は低いほうがよい。ただ、仮に税率をシンガポール並みに引き下げることができたとしても、それだけではアジアの金融拠点を日本にシフトさせるような決定打にはならないであろう。