のざわ・とおる 1959年生まれ。81年慶応大学法学部卒業、十條製紙(現日本製紙)入社。2005年管理本部財務部長、14年取締役兼執行役員企画本部長および関連企業担当などを経て19年6月から現職。
紙需要の減少が加速している。紙(新聞用紙、印刷・情報用紙など)・板紙(段ボール原紙など)の2020年1〜9月国内出荷量は前年同期比で1割強減少。デジタル化による漸減に、新型コロナウイルスでイベント・広告印刷が蒸発、在宅勤務に伴うオフィスの情報用紙急減が重なった。紙生産で国内首位の日本製紙・野沢徹社長に聞いた。

──ペーパーレス化にコロナ禍が重なり、紙の需要はこのまま減り続けていきますか。

イベント・外出自粛でチラシやパンフレットがなくなり、小売店の広告がぱったり止まった状態から夏場以降、動き始めているので、紙の需要はある程度戻る。しかし元どおりにはならない。デジタル化の進展で年率4〜5%程度の需要漸減は続いているうえ、在宅勤務普及や生活スタイルの変化で減少が速まっている。元の水準に戻るとは考えられないのでV字回復はありえない、U字も厳しい。紙の需要についてはL字、とみている。ただ段ボールは通販や食品、飲料の包装用など生活関連が底堅い。産業向けも企業の動きさえ回復すれば戻るだろう。

──18、19年に2割弱の紙生産設備を停止しました。このまま紙が減るなら、いずれもう一段踏み込むことは避けられません。